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『シンボル・イメージ小辞典』(社会思想社)という昔買った文庫本を読んだ。
いろいろな項目があるのだが、豚について記しておこう。
他に、豚を忌み嫌う理由として興味あることが書いてあった。
いろいろな項目があるのだが、豚について記しておこう。
豚は貪欲や肉欲を表すとされ、神話、伝説を通じて悪魔にも神にも結び付けられてきた。豚は非常に多産な動物であり、そのことから、大地の母であり、豊穣と耕地の女神であるデメテルに愛された。(略)その一方で、豚はわが子を食らうことで知られ、家畜になる以前は腐肉をあさり、墓で死体を探して食べていたために、この習性を嫌ったエジプト人やヘブライ人、フェニキア人は、豚を「不浄なもの」とした。
他に、豚を忌み嫌う理由として興味あることが書いてあった。
豚の乳を飲んだり、あるいは触れたりするとハンセン氏病にかかると信じられていて、たとえばエジプト人であっても豚飼いだけは神殿に立ち入ることを禁じられていた。忌み嫌われる豚飼いに近寄る者はなく、同じ豚飼いの家族同士と結婚するほかなかった。つまりは、元をたどれば、雑食である豚が人間の死肉を食い荒らすから穢れた動物とみなされたことと、ハンセン氏病の原因になると考えられたという点にたどり着く。
ヘブライ人もまた豚肉を禁じていたが、それは豚を食用とし、生贄とする風習を持つシリア人やカナン人から、自分たちを区別したかっただけのことであった。
悪魔にとりつかれたガダラ人に関する聖書の記述も、豚と悪を結びつけてユダヤ人の豚嫌いを表している。イエスに追い払われた悪霊たちは、群れになって牧草を食べている豚に入り込ませてほしいと懇願し、その結果、二千頭におよぶ豚が高い崖から落ちていった。
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